お子さんの、自傷や他害にお困りのお母さんへ。
私の息子、ひか(小3)は、重度知的障がいをともなう自閉症です。
言葉は最近書き出してみたところ、20語と少しでした。
以前からひかの他害についてかなり悩んでいます。
ここでは、自傷や他害が絶えず起こり、生活上困難を感じる「強度行動障害」について書き、困りごとを抱えている本人やご家族のお役にたてたらと思います。
強度行動障害とは?
ひかは、小1のころから、「自分の思いが伝わらない」「僕はやりたくない」という意思表示がうまくできず、人を叩いたり、自分の頭を強く叩いたりする行動が見られました。
自傷は、手持ち無沙汰が原因の1つでやっていたことがあり、その時は手作りバンドで対応をして落ち着いていました。
小3になった今、体が成長し力も強くなり、「僕はこうしたいんだ」「そうじゃなくてこうなんだ」という思いが溢れてきています。
でも、言葉がでてこない。
もどかしさでいっぱいです。
ひかは、双子の弟のまめが発する言葉にかなり敏感に反応をするようになりました。
「さつまいも食べたいの!」「○○公園、またいこうね!」など、まめが話しだすと、怒りを表します。
表現の仕方は、
・叩く
・蹴る
・頭突き
が始まります。
学校やデイサービスでも、先生や職員さんのこのような行動をとっており、私はひかの状態を「強度行動障害」に当てはまるのではと思い始めました。
強度行動障害とは、自分や人を傷つけたり物を壊したりするなど、周囲の人の暮らしに影響を及ぼす行動が高い頻度で起きるため、特別な支援を必要としている状態のことです。家庭で通常の子育てをしていても、かなり努力をしてもなかなか困難な状況が持続してしまいます。厳密には医学用語ではなく、行政・福祉において使われている用語です。
強度行動障害の基準
各項目に点数があり、Ⅰの部類は10点以上、Ⅱの部類は15点以上という基準があります。
こちらにリンクを貼りましたのでご参照ください。
https://hodanren.doc-net.or.jp/iryoukankei/14kaitei/yosiki/b14_2.pdf
ひかは、「ひどく叩いたり蹴ったりする等の行為」が当てはまり、噛みつき、蹴り、なぐり、髪ひき、頭突きなど、相手が怪我をしかねないような行動などの項目の一部が該当します。
その頻度が、1日に頻回そのような行為が見られます。
強度行動障害の原因は?
いろいろと調べていくうちに、自閉症の人は、他人が話す声や、雰囲気など、その受け取り方に特徴があるようです。
実際、私には不快ではない音も、まめにとっては不快で、イヤーマフを付けていると安心する場合があったり、ひかはタオルケットをかぶって何かから自分を守ろうとしていたりする姿が見られます。
ひかにとって、まめの声や、家、学校やデイサービスでの人の動きや雰囲気が、「痛み」に近いような感覚なのかなと思います。
自分を守る手段として、
・耳を押さえる
・タオルケットをかぶる
ことができるときと、衝動的に他害をするときがあります。
そばにいる母の思い
いつもニコニコ笑顔がかわいいひかですが、一度怒りスイッチが入ると、歯ぎしりをしながら顎がつきでて、まるで別人のようになります。
「あっはじまったな」と思った瞬間、食卓テーブルをガンガン押して、一度だけ食べ物を投げたこともあります。(これはとーちゃんにピシャンと叱られました)
嫌だった気持ちを表現する手段を持ち合わせていないために、自分が知っている最大限の方法で外に出しています。
これから家族以外の人に関わっていく上で、本人や周りが困らないため、気持ちよく過ごせるために、今から少しずつ、自分の気持ちの表し方を習得していってほしいと思います。
そのために、家でできることの1つとして、ひかの行動分析し、記録をとってみることにしました。
こうして記録を取ることによって、そのときに出ていた言葉や、どんな行動をとったのかがわかり、傾向がつかめてくると、対策を立てられるのではと思います。
時間の下の5分や15分は、怒りの継続時間です。
ずっと叩きや頭突きをされて受け止めるのではなく(こちらも痛いですし)「嫌だったんだね」と共感と、場面に合った言葉が使えるように繰り返し伝えるようにしています。
まとめ
自分の気持ちを相手に伝えたいのに伝わらないもどかしさ、計り知れないと思います。
それをどうやったら伝わるのか、本人の行動を支える人がじっくり見て、「怒り」の
表現の仕方を考えていきたいと思います。
・言葉かけ
・叩いたときの関わり方
・本人の表現のしかた
明日あさってにできることではないと思うので、気長に見守っていきたいですが、家族だけでは難しいと感じます。
同じ悩みを抱えていらっしゃるお母さん、園や学校の先生、デイサービスの職員さんなど、人の手や頭をかりながら、「助けて~」と声を出し、周りに見守ってもらいながら育てていきましょうね。